この記事では、Mol* Viewer を用いて、 特定のアミノ酸残基のみを選択し、操作・色変更・表示形式変更を行う方法を解説します。
対象読者は「Molstar Viewerで任意のアミノ酸だけを操作したい方」です。 実際の操作順に沿って、再現可能な形で説明します。
AlpfaFold3等のcifファイルをMolstar viewerで表示する方法は以下の記事を参照してください。
Mol* ViewerでAlphaFold3のcifファイルをドラッグ&ドロップ表示する方法
特定アミノ酸のみを選択する方法
- 左上の「Plugin State(ホームマークすぐ下のファイル構造アイコン)」をクリック
- 右側タブ内の「polymer」をクリック
- 「Apply Action」をクリック
- 「Selection」をクリック
- Expression項目に表示される以下の式を確認
(sel.atom.atom-groups :residue-test (= atom.resname ALA))この ALA を、任意のアミノ酸の大文字三字略号(例:GLY、TYR、LYSなど)に変更し、 「Apply」をクリックします。
これで、指定したアミノ酸残基のみを対象に操作できるようになります。
アミノ酸変更時の注意点
Expression内でキー入力を行うたびに、カーソルが式の末尾へ自動移動します。 一文字削除・入力するごとにカーソル位置を修正する必要があります。
また、ページを更新すると構造データは消去され、最初からやり直しになります。 更新操作には注意してください。
参考に三字略号アミノ酸対応表を載せておきます。
| 日本語名 | 三字略号 | 一字略号 |
|---|---|---|
| グリシン | GLY | G |
| アラニン | ALA | A |
| バリン | VAL | V |
| ロイシン | LEU | L |
| イソロイシン | ILE | I |
| セリン | SER | S |
| スレオニン | THR | T |
| システイン | CYS | C |
| メチオニン | MET | M |
| アスパラギン酸 | ASP | D |
| グルタミン酸 | GLU | E |
| アスパラギン | ASN | N |
| グルタミン | GLN | Q |
| リシン(リジン) | LYS | K |
| アルギニン | ARG | R |
| ヒスチジン | HIS | H |
| フェニルアラニン | PHE | F |
| チロシン | TYR | Y |
| トリプトファン | TRP | W |
| プロリン | PRO | P |
指定したアミノ酸のみ色を変更する方法
- Polymer直下の「Cartoon」のゴミ箱アイコンをクリックし、全体描画レイヤーを削除
- 右側タブ「Component」内の「Selection」の「…」をクリック
- 「Add Representation」→「Cartoon」をクリック
次に、構造表示タブで以下を順に実行します。
- 「Toggle Selection Mode(カーソルマーク)」をクリック
- 「Add/Union Selection(黒丸2つアイコン)」をクリック
- 「All」をクリック
- 「Apply Theme to Selection(筆アイコン)」をクリック
- 好きな色を選択し、「Apply Theme to Selection」をクリック
最後に、右側タブ「Component」内の「Polymer」→「Add Representation」→「Cartoon」をクリックします。
これで、指定したアミノ酸のみ色を変更できます。
表示形式を変更する応用例
「Component」直下の「Polymer」「Selection」では、Cartoon以外の表示形式も選択できます。
例えば、指定したアミノ酸のみを Ball & Stick 表示に変更し、 側鎖構造だけを強調表示することも可能です。
まとめ
Mol* Viewerでは、Expression機能を用いることで任意のアミノ酸残基のみを選択できます。 さらにSelectionとRepresentationを組み合わせることで、 色変更や表示形式の制御も可能です。
特定残基の可視化は、変異解析・機能部位解析・論文図作成において非常に有用です。


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